0x00000050 ブルースクリーン徹底解説:PAGE FAULT IN NONPAGED AREAエラーの原因と解決策
2024-07-09 • Windows
0x00000050 ブルースクリーン徹底解説:PAGE FAULT IN NONPAGED AREAエラーの原因と解決策
Windowsを使用していると、突然画面が青くなり、エラーメッセージが表示される「ブルースクリーン・オブ・デス」(BSoD)に遭遇することがあります。その中でも、「PAGE FAULT IN NONPAGED AREA」というメッセージと、エラーコード「0x00000050」が表示されることがあります。このエラーは、システムが重要なデータをメモリから読み取ろうとした際に、存在しない、あるいはアクセスが許可されていないメモリアドレスを参照したときに発生します。
この問題は、システムが不安定になるだけでなく、最悪の場合、データ損失につながる可能性もあります。しかし、適切な手順を踏むことで、ほとんどの場合、このエラーを解決することが可能です。本記事では、エラーの原因から具体的な解決方法、そして注意点までを詳しく解説します。
PAGE FAULT IN NONPAGED AREA (0x00000050) とは?
「PAGE FAULT IN NONPAGED AREA」は、Windowsが物理メモリ(RAM)内の「非ページ領域(Non-paged pool)」と呼ばれる領域にアクセスしようとした際に、何らかの異常が発生したことを示します。非ページ領域とは、オペレーティングシステムが常に物理メモリ上に保持する必要がある、非常に重要なデータやカーネルプロセスが使用する領域です。
通常、Windowsはメモリが不足すると、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)の一部を「ページファイル(仮想メモリ)」として使用します。しかし、非ページ領域のデータは、決してページファイルに移動されることはありません。そのため、この領域でページフォルト(アクセスエラー)が発生するということは、システムにとって非常に深刻な事態を意味します。
主な原因
このエラーは複数の要因で発生する可能性がありますが、特に以下の3つが主要な原因として挙げられます。
RAM(物理メモリ)の不良
物理メモリ(RAM)自体に故障や不具合がある場合、システムが正しいメモリアドレスにアクセスできなくなり、このエラーが発生します。メモリの接触不良、経年劣化、製造上の欠陥などが原因となります。
ドライバーの問題
グラフィックカード、サウンドカード、ネットワークアダプターなどのハードウェアデバイスを制御するドライバーに問題がある場合も、エラーの原因となります。具体的には、ドライバーのバージョンが古い、互換性がない、破損している、または誤ってインストールされている場合に、非ページ領域への不適切なアクセスを引き起こすことがあります。
ウイルス対策ソフトウェアの競合
特定のウイルス対策ソフトウェアやセキュリティソフトが、Windowsのシステムプロセスと競合し、非ページ領域へのアクセスを妨げることがあります。これは、ソフトウェアがシステムレベルの深い部分で動作するため、意図せずしてエラーを引き起こしてしまうケースです。
その他の可能性
上記以外にも、システムファイルの破損、ハードディスクドライブ(HDD/SSD)の不良セクタ、BIOS/UEFIの設定ミスなどが原因となることもありますが、まずは主要な3つの原因からトラブルシューティングを進めるのが一般的です。
解決方法(推奨する手順)
PAGE FAULT IN NONPAGED AREAエラーを解決するためには、以下の手順を順を追って試すことをお勧めします。
1. Windowsメモリ診断ツールの実行
まず、RAMの不良を疑い、Windowsに内蔵されているメモリ診断ツールを実行します。
- Windows検索バーに「メモリ診断」と入力し、「Windowsメモリ診断」を開きます。
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」を選択します。
- PCが再起動し、メモリ診断が自動的に開始されます。診断には数分から数十分かかります。
- 診断が完了すると、Windowsが再起動し、結果が通知領域に表示されます。問題が検出された場合は、RAMの交換を検討してください。
複数のRAMモジュールを搭載している場合は、1枚ずつ診断するか、1枚ずつ挿し替えて問題のモジュールを特定する「切り分け作業」も有効です。
2. ドライバーの更新、ロールバック、再インストール
ドライバーの問題が疑われる場合、以下の手順を試します。
- 最近インストールしたドライバーを特定する: エラーが発生する直前に更新またはインストールしたドライバーがある場合は、それが原因の可能性が高いです。
- デバイスマネージャーを開く: Windows検索バーに「デバイスマネージャー」と入力し、開きます。
- 問題のドライバーを特定する: 疑わしいデバイス(グラフィックアダプター、サウンド、ネットワークアダプターなど)のカテゴリを展開します。
- ドライバーの更新: デバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択し、オンラインで最新版を検索します。
- ドライバーのロールバック: 最新のドライバーで問題が発生した場合、以前のバージョンに戻す「ドライバーのロールバック」を試します。デバイスを右クリックし、「プロパティ」→「ドライバー」タブ→「ドライバーを元に戻す」を選択します。
- ドライバーの再インストール: 最新版をダウンロードし、現在のドライバーをアンインストールしてから再インストールします。デバイスメーカーの公式サイトから最新かつWindowsバージョンに対応したドライバーをダウンロードするのが最も安全です。
3. ウイルス対策ソフトウェアの確認
ウイルス対策ソフトウェアがエラーの原因となっている可能性も考慮します。
- ウイルス対策ソフトウェアの一時停止: まず、ウイルス対策ソフトウェアを一時的に無効にして、エラーが再発するかどうかを確認します。
- ウイルス対策ソフトウェアのアンインストール: 一時停止で問題が解決しない場合、または競合が疑われる場合は、一度アンインストールし、Windows Defenderのみで運用してみて、エラーが発生しないかを確認します。
- 代替ソフトウェアの検討: 特定のウイルス対策ソフトウェアが原因であると判明した場合は、別の製品への乗り換えを検討するか、ソフトウェアベンダーのサポートに問い合わせてください。
4. システムファイルチェッカー (SFC) の実行
システムファイルの破損が原因である可能性もあるため、SFCツールを実行して修復を試みます。
- Windows検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトで
sfc /scannowと入力し、Enterキーを押します。 - システムスキャンが開始され、破損したシステムファイルが検出された場合は自動的に修復されます。完了するまで待ち、PCを再起動します。
5. ディスクエラーのチェック (chkdsk)
HDDやSSDに不良セクタやファイルシステムのエラーがある場合も、問題を引き起こすことがあります。
- 上記と同様に、コマンドプロンプトを管理者として実行します。
chkdsk /f /rと入力し、Enterキーを押します。- 次回の再起動時にスキャンを実行するか尋ねられたら、「Y」と入力してEnterキーを押し、PCを再起動します。スキャンには時間がかかる場合があります。
6. システムの復元ポイントの使用
エラーが発生する前にシステムの復元ポイントを作成していた場合、その時点の状態に戻すことで問題を解決できることがあります。
- Windows検索バーに「復元」と入力し、「復元ポイントの作成」を選択します。
- 「システムの保護」タブで「システムの復元」をクリックします。
- 指示に従って、エラーが発生する前の日付の復元ポイントを選択し、システムを復元します。
7. Windowsの再インストール
上記すべての手順を試しても問題が解決しない場合は、最終手段としてWindowsのクリーンインストールを検討します。これはすべてのデータとプログラムが削除されるため、必ず事前に重要なデータをバックアップしてください。
注意事項
- データのバックアップ: どんなトラブルシューティングを開始する前でも、重要なデータは必ず外部ドライブやクラウドストレージにバックアップしてください。予期せぬ事態によってデータが失われるリスクを回避できます。
- 焦らず一つずつ試す: 解決策は複数ありますが、一度に複数の手順を試すと、どれが効果があったのか分からなくなります。一つの解決策を試すたびに、エラーが解決したかどうかを確認しましょう。
- 専門家への相談: ご自身での解決が難しいと感じた場合や、ハードウェアの交換が必要な場合は、無理せず専門のPC修理業者やメーカーサポートに相談することをお勧めします。
まとめ
「PAGE FAULT IN NONPAGED AREA (0x00000050)」エラーは、PCユーザーにとって非常に厄介な問題ですが、その原因の多くはRAMの不良、ドライバーの互換性、またはウイルス対策ソフトウェアの競合にあります。本記事で紹介した手順を一つずつ丁寧に実行することで、多くの場合、このブルースクリーンエラーを克服し、安定したPC環境を取り戻すことが可能です。
エラーに遭遇しても冷静に対処し、正しい手順でトラブルシューティングを進めましょう。
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