Windowsブルースクリーン「IRQL NOT LESS OR EQUAL (0x0000000A)」徹底解決ガイド
2024-11-23 • Windows
Windowsブルースクリーン「IRQL NOT LESS OR EQUAL (0x0000000A)」徹底解決ガイド
Windowsを使用していると、突然画面が青くなり「IRQL NOT LESS OR EQUAL」というメッセージとともにPCが再起動してしまう経験はありませんか?この厄介なブルースクリーンエラーは、コード 0x0000000A で示され、多くのユーザーを悩ませています。しかし、ご安心ください。この記事では、このエラーの正体から、その原因、そして具体的な解決策までを分かりやすく解説します。
IRQL NOT LESS OR EQUAL (0x0000000A)とは?
「IRQL NOT LESS OR EQUAL」は、Windows OSが非常に重要な処理を行う際に使用する「Interrupt Request Level(IRQL)」という優先度レベルに関するエラーです。簡単に言えば、Windowsカーネルモードのドライバーやシステムプロセスが、そのIRQLレベルでアクセスを許可されていないメモリアドレスにアクセスしようとしたときに発生します。
システムが保護すべきメモリ領域に不正なアクセスがあったため、データの破損やシステムの不安定化を防ぐ目的で、Windowsは強制的に動作を停止させブルースクリーン(BSoD)を表示するのです。特に 0x0000000A というコードは、このIRQL違反が原因であることを明確に示しています。
エラーの主な原因
このエラーは、主にドライバーの不具合やハードウェアの問題に起因することが多いですが、複数の要因が絡み合って発生することもあります。
1. 不正なドライバー
最も一般的な原因として、互換性のない、古い、破損した、または正しくインストールされていないデバイスドライバーが挙げられます。特に、グラフィックドライバー、ネットワークアダプタードライバー、オーディオドライバーなどが問題を引き起こしやすいです。新しいハードウェアをインストールした後や、ドライバーを更新した後に発生することがよくあります。
2. ハードウェアの不具合
メモリ(RAM)の故障や不具合は、このエラーの主要な原因の一つです。メモリチップが物理的に損傷しているか、正しく装着されていない場合に、システムが不正なメモリ領域にアクセスしようとしてエラーが発生します。また、グラフィックカード、マザーボード、その他の周辺機器の故障も原因となることがあります。
3. Windowsシステムの破損
システムファイルが破損している、またはWindowsのレジストリに問題がある場合にも、このエラーが発生することがあります。ウイルス感染や不適切なシャットダウンなどが原因でシステムファイルが破損することがあります。
4. ソフトウェアの競合
特定のアプリケーションやセキュリティソフトウェア(ウイルス対策ソフトなど)が、システムドライバーや他のソフトウェアと競合し、メモリ管理に問題を引き起こすことがあります。
5. オーバークロック
CPUやGPUのオーバークロック設定は、システムを不安定にし、メモリの不正アクセスを引き起こす可能性があります。
解決方法(推奨する手順)
IRQL NOT LESS OR EQUALエラーが発生した場合、以下の手順を順を追って試してください。
ステップ1: 最近の変更を元に戻す
エラーが発生する直前に何か新しいハードウェアを接続したり、ソフトウェアをインストールしたり、ドライバーを更新したりした場合、それが原因である可能性が高いです。
- システムの復元: エラーが発生する前の安定した状態にシステムを復元します。
- 「Windows」キー + 「R」キーを押し、「rstrui.exe」と入力して実行します。
- 指示に従って、適切な復元ポイントを選択します。
- 更新プログラムのアンインストール: 最近のWindows Updateが原因である可能性も考慮し、更新プログラムをアンインストールします。
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新の履歴を表示」→「更新プログラムをアンインストール」から、最新の更新プログラムを削除します。
- ドライバーのロールバック: 最近更新したドライバーがある場合、以前のバージョンに戻します。
- 「デバイスマネージャー」を開き、問題のデバイスを右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「ドライバー」タブで「ドライバーを元に戻す」をクリックします。
ステップ2: ドライバーの更新・再インストール
ドライバーの問題は最も一般的な原因です。全てのドライバーを最新の状態に保つか、必要に応じて再インストールします。
- デバイスマネージャーから更新:
- 「デバイスマネージャー」を開き、各デバイス(特に「ディスプレイアダプター」「ネットワークアダプター」「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」)を右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択します。
- メーカーサイトからダウンロード:
- PCのメーカー(例: Dell, HP, Lenovoなど)または各コンポーネントのメーカー(例: NVIDIA, AMD, Intelなど)の公式サイトから、お使いのモデルに合った最新のドライバーをダウンロードして手動でインストールします。古いドライバーは事前にアンインストールしておくことを推奨します。
- 問題のあるドライバーの特定: ブルースクリーンにエラーを起こした
.sysファイル名が表示されている場合、そのファイルがどのデバイスのドライバーかを確認し、そのドライバーを重点的に更新または再インストールします。
ステップ3: メモリ診断の実行
メモリの不具合を確認するため、Windows標準のメモリ診断ツールを使用します。
- 「Windows」キー + 「R」キーを押し、「mdsched.exe」と入力して実行します。
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」を選択します。
- PCが再起動し、メモリ診断が実行されます。結果を確認してください。問題が見つかった場合は、メモリの交換を検討してください。
ステップ4: ディスクエラーチェックの実行
ハードディスクやSSDの物理的なエラーや論理的な破損がないか確認します。
- 「エクスプローラー」を開き、システムドライブ(通常はC:)を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「ツール」タブの「エラーチェック」セクションで「チェック」をクリックします。
- 「ドライブのスキャン」を選択し、エラーが検出された場合は修正します。
ステップ5: システムファイルの修復
破損したシステムファイルが原因である可能性を排除するため、システムファイルチェッカー(SFC)と展開イメージのサービスと管理(DISM)ツールを実行します。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
sfc /scannowと入力し、Enterキーを押します。システムファイルの整合性をチェックし、破損があれば修復します。- 完了後、次に
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthと入力し、Enterキーを押します。Windowsイメージの修復を行います。 - 両方のコマンドが完了したら、PCを再起動します。
ステップ6: セーフモードでの問題特定
セーフモードで起動し、エラーが再現するかどうかを確認します。セーフモードでは最小限のドライバーとサービスで起動するため、特定のソフトウェアやドライバーが原因であるかを特定するのに役立ちます。
- Windows起動時にShiftキーを押しながら再起動し、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択します。
- 再起動後、4またはF4キーを押して「セーフモードを有効にする」を選択します。
- セーフモードでエラーが発生しない場合、最近インストールしたソフトウェアやドライバーを一つずつ無効化またはアンインストールして、原因を特定します。
ステップ7: ハードウェアの確認・交換
上記の手順で解決しない場合、ハードウェアの問題が疑われます。
- メモリの再装着: 可能であれば、PCケースを開けてメモリを一度取り外し、スロットにしっかりと再装着してみてください。
- メモリの交換: 複数のメモリが搭載されている場合、一つずつ外してエラーが再現するか確認します。新しいメモリと交換することで解決することもあります。
- 他のハードウェアの確認: グラフィックカードなど、他のパーツに問題がないか、必要であれば専門家に相談するか交換を検討します。
ステップ8: Windowsの再インストール
最終手段として、Windowsのクリーンインストールを検討します。これにより、OS、ドライバー、アプリケーションの全てが初期状態に戻ります。この作業を行う前に、必ず重要なデータのバックアップを取ってください。
注意事項と予防策
このエラーは突然発生するものですが、日頃の注意でリスクを減らすことができます。
- 定期的なドライバーの更新: デバイスドライバーは常に最新の状態に保ちましょう。特に、ハードウェアの製造元から提供される公式ドライバーを使用することが重要です。
- Windows Updateの適用: Windows Updateは、セキュリティパッチだけでなく、システムの安定性向上やドライバーの更新も含まれています。
- 信頼できるソースからのソフトウェアインストール: 不明なソースからのソフトウェアや怪しいドライバーはインストールしないようにしましょう。
- システムのバックアップ: 万が一の事態に備え、定期的に重要なデータをバックアップし、システムの復元ポイントを作成しておきましょう。
- ハードウェアの管理: PCケース内の清掃を行い、排熱を良好に保つことも重要です。オーバークロックはシステムの安定性を損なう可能性があるため、推奨されません。
まとめ
「IRQL NOT LESS OR EQUAL (0x0000000A)」エラーは、Windowsの安定性に深く関わるブルースクリーンエラーの一つですが、その多くはドライバーの更新やハードウェアの診断によって解決可能です。この記事で紹介した解決策を一つずつ試すことで、お使いのPCを再び安定した状態に戻すことができるでしょう。もしこれらの手順で解決しない場合は、専門家への相談も検討してください。
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