DATA BUS ERROR (0x0000002E) 徹底解説!RAM・L2キャッシュ・ビデオメモリのパリティエラーを解決する

2025-07-04Windows


DATA BUS ERROR (0x0000002E) 徹底解説!RAM・L2キャッシュ・ビデオメモリのパリティエラーを解決する

PCを使用中に突然ブルースクリーンが表示され、「DATA BUS ERROR (0x0000002E)」というエラーコードに遭遇したことはありませんか?このエラーは、多くの場合、システム内の主要なハードウェア、特にメモリコンポーネントにおけるデータ転送の不具合を示しています。今回は、この深刻なエラーの定義から原因、そして具体的な解決策までを詳しく解説していきます。

DATA BUS ERROR (0x0000002E) とは?

DATA BUS ERROR (0x0000002E) は、Windows環境で発生するブルースクリーンエラー(BSoD)の一つです。このエラーは、コンピューターのデータバス上でデータの読み書き中に整合性の問題、特に「パリティエラー」が発生したことを示しています。パリティエラーとは、データ転送時にデータが正しく転送されたかどうかをチェックするための情報(パリティビット)に不一致が生じることで、データの破損や誤りを意味します。

このエラーが発生すると、システムがクラッシュし、最悪の場合、OSが起動できなくなったり、重要なデータが失われたりする可能性があります。

主な原因:ハードウェアのパリティエラー

DATA BUS ERROR (0x0000002E) の根本的な原因は、ほとんどの場合、以下のハードウェアにおけるパリティエラーに起因します。

  • RAM (メインメモリ) の不具合: 最も一般的な原因です。メモリチップ自体の故障、メモリがスロットに正しく挿入されていない、またはメモリとマザーボード間の互換性の問題が考えられます。
  • L2キャッシュ (CPUキャッシュ) の問題: CPUに内蔵されている、またはCPUの近くに配置されているL2キャッシュメモリのデータ転送に異常が生じている可能性があります。これはCPU自体の故障や、マザーボード上のキャッシュ関連回路の不具合によって引き起こされることがあります。
  • ビデオメモリ (GPUメモリ) の不具合: グラフィックカードに搭載されているビデオメモリ(VRAM)の故障や、グラフィックカードがスロットに正しく挿入されていない場合に発生することがあります。特に高負荷なグラフィック処理中に発生しやすい傾向があります。
  • マザーボードのデータバスの損傷: ごく稀ですが、マザーボード上のデータバス自体が物理的に損傷している場合や、経年劣化によってデータ転送が不安定になっている場合も考えられます。
  • BIOS/UEFIの設定ミス: オーバークロック設定やメモリタイミングの不調整など、BIOS/UEFIの設定が原因でハードウェアが不安定になり、エラーを引き起こすことがあります。

解決方法:推奨する手順

DATA BUS ERROR (0x0000002E) を解決するためには、ハードウェアの診断と対処が中心となります。以下の手順を上から順に試してみてください。

1. 基本的な確認事項

PC内部を触る前に、まずは簡単な確認から始めましょう。

  • 最近の変更の確認: 新しいハードウェアを追加したり、ドライバーを更新したり、BIOS設定を変更したりした直後にエラーが発生した場合、それが原因である可能性が高いです。変更を元に戻すか、再確認してください。
  • PC内部の清掃: PC内部に蓄積されたほこりは、コンポーネントの冷却を妨げ、過熱による不安定化や接触不良を引き起こすことがあります。PCの電源を切り、内部をエアダスターなどで丁寧に清掃してください。
  • ケーブルの再接続: PC内部の電源ケーブルやデータケーブル(特にマザーボードとストレージを繋ぐSATAケーブルなど)が緩んでいないか確認し、しっかりと再接続してください。

2. メモリ (RAM) の診断と対処

RAMはDATA BUS ERRORの最も一般的な原因です。

  • メモリの再装着:
    1. PCの電源を完全に切り、電源ケーブルを抜きます。
    2. PCケースを開け、全てのRAMモジュールをスロットから慎重に取り外します。
    3. RAMモジュールとスロットの金色の接点部分を、柔らかい布や無水エタノールを含ませた綿棒で優しく清掃します。
    4. 各RAMモジュールを、カチッと音がするまでしっかりとスロットに再装着します。
  • メモリテストの実行:
    1. Windowsメモリ診断ツール: Windowsに標準搭載されている「Windowsメモリ診断」ツール (mdsched.exe をファイル名を指定して実行で起動) を使用して、メモリに問題がないかチェックします。テストには時間がかかる場合があります。
    2. MemTest86: より詳細な診断が必要な場合は、MemTest86などの第三者製のメモリ診断ツールを使用することを推奨します。これはPC起動前に実行するタイプのツールで、USBメモリなどに書き込んで使用します。
  • 不良メモリの特定と交換: メモリテストでエラーが検出された場合、問題のあるモジュールを特定し、取り外すか、新しいものに交換してください。複数のRAMが搭載されている場合は、一本ずつ挿してテストすることで、どのモジュールが不良なのかを特定できます。
  • メモリの互換性確認: 増設したRAMがある場合、既存のRAMやマザーボードとの互換性が完全に取れているか、メーカーの仕様を確認してください。

3. グラフィックカード (ビデオメモリ) の診断と対処

グラフィックカードのビデオメモリもエラーの原因となることがあります。

  • グラフィックカードの再装着:
    1. PCの電源を完全に切り、電源ケーブルを抜きます。
    2. グラフィックカードを固定しているネジやロックを外し、PCI Expressスロットから慎重に取り外します。
    3. グラフィックカードの接点部分とスロットを清掃し、カチッと音がするまでしっかりと再装着します。補助電源ケーブルも忘れずに接続してください。
  • ドライバーの更新/再インストール: グラフィックカードのドライバーが破損しているか、古い場合もエラーの原因となりえます。
    1. 現在インストールされているグラフィックドライバーを完全にアンインストールします(「DDU (Display Driver Uninstaller)」などのツールを使用すると、クリーンにアンインストールできます)。
    2. グラフィックカードメーカー(NVIDIA、AMDなど)の公式サイトから、お使いのOSに合った最新のドライバーをダウンロードし、インストールします。
  • 別のグラフィックカードでのテスト (可能であれば): 予備のグラフィックカードがある場合、交換してエラーが解決するか確認します。
  • 統合グラフィックでのテスト (可能であれば): CPUに内蔵グラフィック機能がある場合、グラフィックカードを取り外してCPU内蔵グラフィックでPCを起動し、エラーが発生するか確認します。これでエラーが発生しない場合、グラフィックカードが原因である可能性が高いです。

4. L2キャッシュ (CPU関連) の確認

L2キャッシュ関連の問題はCPUの交換を伴うことが多く、一般ユーザーには難しい作業です。

  • BIOS/UEFI設定の確認: BIOS/UEFI設定でオーバークロックやCPU関連のカスタマイズを行っている場合、一時的に「Load Optimized Defaults」などで設定を初期化し、デフォルトに戻してください。
  • CPUの温度監視: CPUが過熱していると、L2キャッシュを含むCPU全体が不安定になることがあります。HWMonitorなどのツールでCPU温度を監視し、異常に高くないか確認してください。

5. マザーボードの確認

マザーボード自体の問題である可能性も考慮します。

  • BIOS/UEFIのアップデート: マザーボードメーカーのウェブサイトで、最新のBIOS/UEFIファームウェアが提供されていないか確認してください。最新バージョンにアップデートすることで、互換性の問題や不安定性が改善されることがあります。ただし、BIOS/UEFIのアップデートは失敗するとPCが起動不能になるリスクがあるため、慎重に行ってください。
  • マザーボードの物理的な損傷: 目視でマザーボード上のコンデンサが膨張していないか、焦げ付きがないかなどを確認します。異常が見られる場合は、マザーボードの交換が必要です。

6. ソフトウェア的なアプローチ (最終手段)

ハードウェアが原因であることが多いエラーですが、念のためソフトウェア的な確認も行います。

  • システムの復元: エラーが発生する以前にシステムの復元ポイントがある場合、その時点までシステムを戻してみます。
  • Windowsのクリーンインストール: 上記のどの解決策を試しても改善しない場合、OSからくる問題を完全に排除するために、Windowsのクリーンインストールを検討します。これにより、ソフトウェア的な要因はほぼ排除できますが、全てのデータが失われるため、必ず事前にバックアップを取ってください。

注意事項

  • データのバックアップ: トラブルシューティングを行う前に、重要なデータは必ず外部ストレージにバックアップを取ってください。予期せぬ事態によりデータが失われるリスクを軽減できます。
  • 静電気対策: PC内部の作業を行う際は、必ず静電気対策を行ってください。静電気はPCパーツに損傷を与える可能性があります。金属部分に触れて体をアースするか、静電気防止リストバンドを使用してください。
  • 専門家への相談: 上記の解決策を試しても改善しない場合や、ご自身でPC内部の作業を行うことに不安を感じる場合は、専門の修理業者やメーカーサポートに相談することを強く推奨します。
  • 保証の確認: 購入して間もないPCやパーツの場合、保証期間内であることを確認し、販売店やメーカーに問い合わせることで、無償修理や交換の対象となる可能性があります。

まとめ

DATA BUS ERROR (0x0000002E) は、主にRAM、L2キャッシュ、ビデオメモリといった主要なハードウェアの問題に起因する深刻なブルースクリーンエラーです。慌てずに、本記事で紹介した診断と対処法を段階的に試すことで、問題の原因を特定し、解決できる可能性が高まります。データのバックアップと静電気対策を忘れずに行い、自信がない場合は専門家の助けを借りることも視野に入れて、慎重にトラブルシューティングを進めてください。


← ホームに戻る