Windowsエラー 0x80070490「要素が見つかりません」を徹底解説!原因と解決策、そして予防策

2025-10-19Windows


Windowsエラー 0x80070490「要素が見つかりません」を徹底解説!原因と解決策、そして予防策

Windowsを日常的に利用していると、時折予期せぬエラーコードに遭遇することがあります。その一つが「0x80070490 - 要素が見つかりません」というメッセージを伴うエラーです。このエラーは、Windows Updateの失敗、Microsoft Storeアプリの不具合、システムの機能障害など、様々な場面で発生し、多くのユーザーを悩ませています。

本記事では、この0x80070490エラーがなぜ発生するのか、その具体的な原因を深掘りし、問題を解決するための段階的な手順を専門的かつ分かりやすく解説します。また、エラーの再発を防ぐための予防策についても触れますので、ぜひ最後までお読みいただき、お使いのPCを健全な状態に保つためにお役立てください。

0x80070490エラーとは?その定義と発生シーン

0x80070490エラーは、Windowsオペレーティングシステムが特定の「要素」を見つけることができない、あるいはアクセスできない場合に表示される汎用的なエラーコードです。ここでいう「要素」とは、システムファイル、レジストリエントリ、設定データ、特定のプログラムコンポーネントなどを指します。システムが必要とするファイルや情報が見当たらない、または破損しているために、処理を続行できない状態を示唆しています。

このエラーは、以下のような様々なシーンで発生する可能性があります。

  • Windows Updateの実行中: 更新プログラムのダウンロードやインストールに失敗する場合。
  • Microsoft Storeアプリの操作: アプリのインストール、更新、起動時に問題が発生する場合。
  • Windowsの機能利用時: スタートメニュー、検索機能、特定のシステムツールが正常に動作しない場合。
  • システムコンポーネントの初期化: 特定のサービスやコンポーネントが起動時に必要な要素を見つけられない場合。

なぜ発生する?0x80070490エラーの主な原因

このエラーが広範囲で発生しうることから、その原因も多岐にわたります。主な原因としては以下の点が挙げられます。

  • システムファイルの破損: Windowsを構成する重要なシステムファイルが、何らかの理由で破損している場合です。これはマルウェア感染、不適切なシャットダウン、ディスクの不良セクタなどによって引き起こされることがあります。
  • Windowsコンポーネントストアの破損: Windows Updateやオプション機能のインストールに使用される「コンポーネントストア」(WinSxSフォルダ)が破損している場合です。このストアは、システムの健全性を保つ上で非常に重要です。
  • DISMツールの問題: 展開イメージのサービスと管理(DISM: Deployment Image Servicing and Management)ツールは、Windowsイメージを管理・修復するためのツールですが、このツール自体に問題がある、あるいは正しく機能しない場合にエラーが発生することもあります。
  • Windows Update関連サービスの不具合: Windows Updateに関連するサービス(例: Windows Updateサービス、BITSサービスなど)が停止している、またはその設定が破損している場合、更新プログラムの取得やインストールに失敗します。
  • サードパーティ製ソフトウェアの干渉: 一部のウイルス対策ソフトウェアやシステム最適化ツールが、Windowsの重要なファイルやサービスへのアクセスを誤ってブロックし、システムエラーを引き起こすことがあります。
  • ユーザープロファイルの破損: まれに、使用しているユーザープロファイル自体が破損しているために、特定のシステム機能が正常に動作しない場合があります。

0x80070490エラーの具体的な解決方法

複数の原因が考えられるため、以下の手順を順番に試すことをお勧めします。各ステップの実行後は、エラーが解決したかを確認してください。

1. PCの再起動とWindows Updateトラブルシューターの実行

まず、一時的なシステムグリッチや軽微な問題であれば、PCの再起動で解決することがあります。再起動後も問題が続く場合は、Windows標準のトラブルシューティングツールを試してみましょう。

  • PCの再起動:
    • 開いているすべてのアプリケーションを閉じ、PCを再起動します。
  • Windows Updateトラブルシューターの実行:
    1. 「設定」アプリを開きます。(Windowsキー + I)
    2. 「更新とセキュリティ」(Windows 10)または「システム」→「トラブルシューティング」(Windows 11)を選択します。
    3. 「トラブルシューティング」セクションで「その他のトラブルシューティングツール」をクリックします。
    4. リストから「Windows Update」を見つけて選択し、「トラブルシューティングの実行」をクリックします。
    5. 画面の指示に従い、問題が検出され、修正されるまで待ちます。

2. システムファイルチェッカー (SFC) の実行

破損したシステムファイルを修復する標準的な方法です。これはWindowsの健全性を維持するために非常に重要なステップです。

  1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。

    • Windows検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
  2. コマンドプロンプトウィンドウで、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。

    sfc /scannow
    
  3. スキャンが開始され、完了するまで待ちます。「検証 100% 完了。」と表示されるまで、ウィンドウを閉じないでください。

  4. スキャン結果に応じて、「破損したファイルが見つかり、正常に修復されました」などのメッセージが表示されます。

3. DISM (展開イメージのサービスと管理) ツールの実行

SFCで解決しない場合、Windowsのコンポーネントストア自体が破損している可能性があります。DISMツールは、このストアを修復し、SFCが正しく機能するための基盤を整えます。

  1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます(SFCの手順と同様)。

  2. 以下のコマンドを順番に実行します。各コマンドの実行には時間がかかる場合があり、特にRestoreHealthは数十分かかることもあります。プログレスバーが表示されるまで待ちましょう。

    DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
    DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
    DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
    
    • CheckHealth: コンポーネントストアの破損状態を迅速にチェックします。
    • ScanHealth: コンポーネントストアをより詳細にスキャンし、破損の有無を確認します。
    • RestoreHealth: 検出された破損を自動的に修復します。この際、Windows Updateから必要なファイルをダウンロードする場合があります。
  3. 全てのコマンド実行後、PCを再起動します。

4. Windows Updateコンポーネントのリセット

Windows Updateに特化した問題の場合、関連するサービスやキャッシュをリセットすることで解決することがあります。

  1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。

  2. 以下のコマンドを順番に実行し、Windows Update関連サービスを停止します。

    net stop wuauserv
    net stop cryptSvc
    net stop bits
    net stop msiserver
    
  3. Windows Updateのキャッシュフォルダの名前を変更し、リセットします。

    ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
    ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
    
  4. 停止したサービスを再度開始します。

    net start wuauserv
    net start cryptSvc
    net start bits
    net start msiserver
    
  5. PCを再起動し、Windows Updateを再度試します。

5. 新しいユーザープロファイルの作成

現在のユーザープロファイルが破損している場合に、このエラーが発生することがあります。新しいユーザープロファイルを作成し、そちらでログインしてエラーが解決するか確認します。

  1. 「設定」アプリを開きます。
  2. 「アカウント」→「家族とその他のユーザー」を選択します。
  3. 「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリックし、画面の指示に従って新しいローカルアカウントを作成します。
  4. 作成した新しいアカウントでサインインし、エラーが解決するか確認します。新しいアカウントで問題が解決する場合、元のプロファイルから必要なデータを移行することを検討してください。

6. システムの復元ポイントを使用する

エラーが発生する以前にシステムの復元ポイントが作成されている場合、PCの状態をその時点に戻すことで問題を解決できる可能性があります。

  1. Windows検索バーに「復元」と入力し、「復元ポイントの作成」を選択します。
  2. 「システムの保護」タブで「システムの復元」をクリックします。
  3. 「次へ」をクリックし、エラーが発生する前の日付の復元ポイントを選択します。
  4. 画面の指示に従ってシステムの復元を実行します。

0x80070490エラーに関する注意事項と予防策

注意事項

  • データのバックアップ: システムの重要な変更を行う前には、常に重要なデータを外部ストレージやクラウドサービスにバックアップしておくことを強く推奨します。万が一の事態に備え、データ損失のリスクを最小限に抑えられます。
  • 管理者権限の確保: 上記の多くの解決策は、システムファイルを操作するため、管理者権限を必要とします。コマンドプロンプトや特定のツールを実行する際は、必ず「管理者として実行」を選択してください。
  • 焦らず慎重に: 複数の手順を試す必要がある場合があるため、一つずつ着実に、そして慎重に実行してください。途中でエラーメッセージや不明な点があれば、無理に進めず専門家の意見を求めることも重要です。

予防策

  • Windows Updateを常に最新の状態に保つ: Microsoftは、システムのバグ修正や脆弱性対策のために定期的に更新プログラムを提供しています。これらを適用することで、システムファイルの破損リスクを低減できます。
  • 信頼できるセキュリティソフトウェアを使用し、定期的にスキャンする: マルウェアやウイルスはシステムファイルを破壊する主要な原因の一つです。常に最新の定義ファイルでセキュリティソフトウェアを運用し、定期的なシステムスキャンを行いましょう。
  • 不審なプログラムのインストールを避ける: 出典不明のソフトウェアや、違法な手段で入手したプログラムは、システムに悪影響を及ぼす可能性があります。信頼できるソースからのみソフトウェアをインストールするようにしてください。
  • 定期的なシステムメンテナンス: SFCやDISMツールは、問題が発生した時だけでなく、定期的に実行することで軽微なシステムファイルの破損を早期に発見し、修復することができます。
  • システムの復元ポイントを作成する: 重大なソフトウェアのインストールやシステム設定の変更を行う前には、手動で復元ポイントを作成しておきましょう。これにより、問題発生時に迅速に以前の状態に戻せるようになります。

まとめ

0x80070490「要素が見つかりません」エラーは、Windowsシステムが特定の要素を見つけられない、またはアクセスできない場合に発生する厄介な問題です。その原因は多岐にわたりますが、本記事でご紹介したSFCやDISMツールの実行、Windows Updateコンポーネントのリセット、新しいユーザープロファイルの作成、システムの復元といった段階的な解決策を試すことで、ほとんどの場合、このエラーを解決できるはずです。

PCの健全性を維持するためには、日頃からのシステムメンテナンスと定期的なデータバックアップが非常に重要です。もし上記の方法を試してもエラーが解決しない場合は、Windowsのインプレースアップグレード(上書きインストール)や、データのバックアップ後にクリーンインストールを行うことも最終手段として検討するか、MicrosoftサポートやPC修理の専門家への相談を検討してください。


← ホームに戻る