Windowsエラーコード0x000000EA（ERROR_MORE_DATA）を徹底解説！原因と解決方法

2024-05-12 • Windows

Windowsエラーコード0x000000EA（ERROR_MORE_DATA）を徹底解説！原因と解決方法

Windowsを使用している際に、突然システムがフリーズしたり、ブルースクリーン（BSoD）が表示されて「0x000000EA (ERROR_MORE_DATA)」というエラーコードに遭遇することがあります。「より多くのデータが利用可能です」というメッセージは一見すると問題なさそうに思えますが、実際にはシステムの安定性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、この0x000000EAエラーの定義、発生する主な原因、そして具体的な解決方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。お使いのPCの安定を取り戻すために、ぜひ最後までお読みください。

1. エラーコード 0x000000EA (ERROR_MORE_DATA) とは？

「0x000000EA (ERROR_MORE_DATA)」は、Windowsカーネルモードドライバーによって発生するブルースクリーンエラーの一種です。このエラーメッセージは直訳すると「より多くのデータが利用可能です」となります。一般的には、システムが特定のデータを要求した際、その要求された量よりも多くのデータが実際に利用可能である状況で発生します。

しかし、このエラーが直接的に意味する「より多くのデータ」が問題であるというよりは、多くの場合、グラフィックドライバ、メモリ、ハードディスクなどのハードウェア、または関連するソフトウェアの異常が背景にあることが多いです。特にグラフィック処理に関連する問題でよく見られます。

2. 0x000000EAが発生する主な原因

このエラーコードが表示される原因は多岐にわたりますが、一般的には以下のいずれかの問題が関係していることが多いです。

ドライバの不具合

最も一般的な原因の一つです。特にグラフィックカードのドライバが古かったり、破損していたり、またはWindowsバージョンとの互換性がなかったりする場合に発生しやすいです。他のデバイス（ネットワークアダプター、チップセットなど）のドライバも原因となることがあります。

ハードウェアの故障または不具合

メモリ（RAM）の故障や接触不良、ハードディスクドライブ（HDD）またはソリッドステートドライブ（SSD）の損傷がエラーを引き起こすことがあります。また、グラフィックカード自体に問題がある可能性も考えられます。

システムファイルの破損

Windowsのシステムファイルが何らかの原因で破損している場合、エラー0x000000EAを含む様々な問題が発生する可能性があります。

ソフトウェアの競合

新しくインストールしたアプリケーションや、特定のセキュリティソフトなどがシステムリソースを過剰に消費したり、他のプログラムと競合したりすることで、エラーを引き起こすことがあります。

BIOS/UEFIの問題

古いBIOS/UEFIのファームウェアや、不適切な設定がシステム全体の安定性を損ね、エラー発生につながることがあります。

3. 0x000000EAの解決方法と推奨手順

0x000000EAエラーの解決には、原因を特定し、一つずつ対処していくことが重要です。以下の手順を順番に試してみてください。

3.1. デバイスドライバの更新または再インストール

特にグラフィックドライバが疑わしいため、ここから始めましょう。

  1. Windowsをセーフモードで起動: エラーが頻繁に発生し、通常起動が難しい場合は、セーフモードで起動して作業を進めます。
  2. 既存のグラフィックドライバをアンインストール:
    • 「Win」+「X」キーを押し、「デバイスマネージャー」を選択します。
    • 「ディスプレイアダプター」を展開し、お使いのグラフィックカードを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。この際、「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します。」にチェックを入れてください。
  3. 最新のドライバをインストール:
    • お使いのグラフィックカードメーカー（NVIDIA、AMD、Intelなど）の公式サイトにアクセスし、お使いのモデルとWindowsバージョンに合った最新のドライバをダウンロードしてインストールします。
  4. 他のデバイスドライバも確認: 問題が解決しない場合は、チップセット、ネットワークアダプターなど、他の主要なデバイスドライバも最新のものに更新してみてください。

3.2. メモリ診断の実行

メモリの問題はブルースクリーンの一般的な原因です。

  1. Windowsメモリ診断ツールを使用:
    • 検索バーに「メモリ診断」と入力し、「Windowsメモリ診断」を開きます。
    • 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する（推奨）」を選択します。PCが再起動し、メモリ診断が実行されます。
    • 診断結果は再起動後に通知されます。
  2. 物理的な確認: メモリを一度抜き差ししたり、スロットを交換したりすることで接触不良が解消される場合があります。可能であれば、他の正常なメモリと交換して試すのも有効です。

3.3. システムファイルの破損チェックと修復

破損したシステムファイルが原因である可能性も考えられます。

  1. コマンドプロンプトを管理者として実行: 検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
  2. SFCスキャンを実行:
    • sfc /scannow と入力し、Enterキーを押します。システムファイルの整合性がチェックされ、破損が検出された場合は自動的に修復されます。
  3. DISMコマンドを実行:
    • DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth と入力し、Enterキーを押します。これは、Windowsイメージの健全性を回復するために使用されます。

3.4. ハードディスク/SSDのチェック

ストレージデバイスに問題がある場合も、エラーが発生することがあります。

  1. chkdskコマンドを実行:
    • コマンドプロンプトを管理者として実行し、chkdsk /f /r と入力してEnterキーを押します。次回の起動時にチェックを実行するか尋ねられたら「Y」を押して再起動します。これにより、不良セクタが検出・修復されます。
  2. S.M.A.R.T.情報の確認: サードパーティ製のツールを使用して、HDD/SSDのS.M.A.R.T.（自己監視、分析、報告技術）情報を確認し、健康状態をチェックします。

3.5. Windows Updateの実行

最新のWindows Updateには、既知のバグ修正やドライバの更新が含まれていることがあります。

  1. 「設定」を開く: 「Win」+「I」キーを押します。
  2. 「Windows Update」に移動: 「更新とセキュリティ」または「Windows Update」を選択し、利用可能な更新プログラムをすべてインストールします。

3.6. システムの復元ポイントを使用

エラーが発生する前にシステムの復元ポイントを作成していた場合は、その時点に戻すことで問題を解決できる可能性があります。

  1. 「システムの復元」を検索: 検索バーに「復元」と入力し、「復元ポイントの作成」を選択します。
  2. 「システムの復元」ボタンをクリック: 画面の指示に従い、エラーが発生していない時点の復元ポイントを選択してシステムを復元します。

3.7. BIOS/UEFIの更新と設定確認

BIOS/UEFIが古い場合や、不適切な設定になっている場合も原因となり得ます。

  1. BIOS/UEFIの更新: マザーボードメーカーのウェブサイトにアクセスし、お使いのモデルの最新BIOS/UEFIファームウェアをダウンロードして更新します。
  2. 設定のリセット: BIOS/UEFI設定画面に入り、「Load Optimized Defaults」や「Reset to Default」などのオプションを選択して、設定を工場出荷時の状態に戻します。

3.8. 不審なソフトウェアのアンインストール

最近インストールしたアプリケーションが原因である可能性も考えられます。

  1. 「設定」からアンインストール: 「設定」>「アプリ」>「アプリと機能」で、最近追加した覚えのない、またはエラー発生後に挙動がおかしいと感じるアプリをアンインストールします。

4. 注意事項とトラブルシューティングのヒント

  • データのバックアップ: 問題解決に取り掛かる前に、重要なデータは必ずバックアップしてください。
  • 変更は一つずつ: 複数の解決策を同時に試すと、どの対策が効果があったのか、または新たな問題を引き起こしたのかが分からなくなります。一度に一つの変更を加えて、その都度PCの動作を確認するようにしてください。
  • イベントビューアの確認: Windowsの「イベントビューア」を確認すると、エラー発生時に記録された詳細な情報から、原因の手がかりを得られることがあります。
  • 専門家への相談: 上記の解決策を試しても問題が解決しない場合や、PCの分解・組立が必要な場合は、無理せず専門の修理業者やPCメーカーのサポートに相談することをおすすめします。

まとめ

Windowsエラーコード「0x000000EA (ERROR_MORE_DATA)」は、グラフィックドライバの問題、メモリやハードウェアの故障、システムファイルの破損など、様々な原因によって発生します。この記事で紹介した具体的な解決方法を一つずつ丁寧に試すことで、多くの場合は問題を解決し、PCの安定性を取り戻すことができます。

もしご自身での解決が難しいと感じたら、専門家のサポートをためらわずに利用してください。安全にPCを使い続けるために、適切な対処を心がけましょう。


← ホームに戻る