解決!0x00000035 (ERROR_BAD_NETPATH) - ネットワークパスが見つかりませんエラーの原因と対処法
2024-08-28 • Windows
解決!0x00000035 (ERROR_BAD_NETPATH) - ネットワークパスが見つかりませんエラーの原因と対処法
Windows環境でネットワーク上のファイルやデバイスにアクセスしようとした際に、「ネットワークパスが見つかりません(0x00000035 (ERROR_BAD_NETPATH))」というエラーメッセージに遭遇し、困惑された経験はありませんか?このエラーは、共有リソースへの接続が確立できない場合に表示され、業務や作業の効率を著しく低下させる可能性があります。
この記事では、0x00000035 (ERROR_BAD_NETPATH) エラーの具体的な内容、発生する主な原因、そして、誰でも実践できる詳細な解決策をステップバイステップで解説します。ネットワーク接続のトラブルシューティングは複雑に感じられるかもしれませんが、正しい手順を踏むことで、ほとんどの問題は解決可能です。
1. 0x00000035 (ERROR_BAD_NETPATH) とは?
「0x00000035 (ERROR_BAD_NETPATH) - ネットワークパスが見つかりません」は、Windowsオペレーティングシステムが、指定されたネットワーク上の場所(共有フォルダ、ネットワークドライブ、プリンターなど)を特定できない、または到達できないことを示すエラーコードです。これは、物理的な接続の欠陥からソフトウェアの設定ミスまで、様々な要因で発生する可能性があります。
主に以下のような状況でこのエラーは発生します。
- 共有フォルダへのアクセスを試みたとき
- ネットワークドライブをマップしようとしたとき
- ネットワークプリンターに接続しようとしたとき
- 特定のネットワークサービスやアプリケーションが外部リソースにアクセスしようとしたとき
2. このエラーが発生する主な原因
ネットワークパスが見つからないエラーは多岐にわたる原因によって引き起こされます。主な原因を理解することで、より効率的にトラブルシューティングを進めることができます。
- ネットワークパスの誤りまたはスペルミス: 最も単純な原因ですが、共有名、コンピューター名、またはIPアドレスの入力ミス。
- ターゲットPCがオフラインまたはネットワークに接続されていない: アクセスしようとしているコンピューターの電源が入っていない、またはネットワークケーブルが抜けている、Wi-Fi接続が切れているなど。
- 共有設定の問題: アクセス先の共有フォルダが共有設定になっていない、または適切なアクセス権限が付与されていない。
- ファイアウォールまたはセキュリティソフトウェアによるブロック: Windows Defenderファイアウォールやサードパーティ製のセキュリティソフトが、ネットワーク接続やファイル共有をブロックしている。
- ネットワーク検出が無効になっている: アクセス元のPCまたはアクセス先のPCでネットワーク検出機能が無効になっている。
- 必要なサービスが実行されていない: 「Server」サービスや「Workstation」サービスなど、ファイル共有に必要なシステムサービスが停止している。
- 名前解決の問題: コンピューター名からIPアドレスへの変換(DNSやNetBIOS)が正しく行われていない。
- 認証情報の間違い: ユーザー名やパスワードが正しくない、またはアクセス権限がない。
3. 0x00000035 エラーの具体的な解決方法
ここからは、0x00000035 (ERROR_BAD_NETPATH) エラーを解決するための具体的な手順を、簡単なものから順に解説していきます。
3.1. ネットワークパスの確認と再入力
まず最初に、指定したネットワークパスが正しいかを確認します。
- パスの正確性:
\\コンピューター名\共有名または\\IPアドレス\共有名の形式で入力しているか確認してください。特に、バックスラッシュ(\)の向きや全角・半角、スペルミスに注意が必要です。 - IPアドレスでの試行: コンピューター名が正しく解決されない場合があるため、一時的にIPアドレスを使用してアクセスを試みてください。
- ターゲットPCのIPアドレスは、コマンドプロンプトで
ipconfigと入力して確認できます。 - 例:
\\192.168.1.100\共有名
- ターゲットPCのIPアドレスは、コマンドプロンプトで
3.2. ターゲットPCの共有設定とアクセス権限を確認する
アクセス先のコンピューターで共有が有効になっているか、および適切なアクセス権限が付与されているかを確認します。
- 共有フォルダの確認:
- ターゲットPCで、共有したいフォルダを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「共有」タブに移動し、「詳細な共有」をクリックします。
- 「このフォルダーを共有する」にチェックが入っていることを確認します。
- アクセス許可の確認:
- 「詳細な共有」ウィンドウで「アクセス許可」をクリックします。
- 「Everyone」またはアクセスを許可したいユーザーアカウントに「読み取り」や「変更」などの必要な権限が付与されていることを確認します。付与されていない場合は、「追加」からユーザーを追加し、権限を付与します。
- ネットワークと共有センターの詳細設定:
- ターゲットPCで、「コントロールパネル」 > 「ネットワークと共有センター」 > 「共有の詳細設定の変更」を開きます。
- 現在使用しているプロファイル(通常は「プライベート」または「すべてのネットワーク」)を展開し、以下の設定を確認します。
- 「ネットワーク探索を有効にする」をオンにする。
- 「ファイルとプリンターの共有を有効にする」をオンにする。
- 「パスワード保護共有」を「パスワード保護共有を無効にする」に設定すると、パスワードなしでアクセスできるようになりますが、セキュリティリスクが高まります。可能であれば有効にし、アクセスするユーザー名とパスワードを正しく入力してください。
3.3. Windowsファイアウォールおよびセキュリティソフトの設定を確認する
ファイアウォールがネットワーク接続をブロックしている可能性があります。
- Windows Defender ファイアウォール:
- ターゲットPCで、「コントロールパネル」 > 「Windows Defender ファイアウォール」 > 「Windows Defender ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可」を開きます。
- 「ファイルとプリンターの共有」が「プライベート」ネットワークで許可されていることを確認します。必要に応じて「設定の変更」をクリックして許可してください。
- サードパーティ製セキュリティソフト:
- インストールしているセキュリティソフトの一時停止や設定確認を行ってください。一時的に無効にしてアクセスできる場合は、セキュリティソフトの設定でファイル共有に関する例外を追加する必要があります。
3.4. ネットワーク接続と名前解決の問題をチェックする
基本的なネットワーク接続に問題がないか確認します。
- 物理接続の確認: ネットワークケーブルが正しく接続されているか、Wi-Fiが有効になっているか確認します。
- Pingコマンドでの接続確認:
- コマンドプロンプトを開き、
ping ターゲットPCのIPアドレス(例:ping 192.168.1.100)と入力してEnterキーを押します。 - 応答がある場合は、物理的なネットワーク接続は問題ありません。応答がない場合は、IPアドレスの確認、ケーブルの接続、ターゲットPCの電源などを再確認してください。
- コマンドプロンプトを開き、
- DNSキャッシュのリセット:
- コマンドプロンプトを管理者権限で開き、
ipconfig /flushdnsと入力してEnterキーを押します。これにより、古い名前解決情報がクリアされます。
- コマンドプロンプトを管理者権限で開き、
3.5. 必要なサービスが実行されているか確認する
ファイル共有には特定のシステムサービスが正しく動作している必要があります。
- サービスの確認:
- Windowsキー + R を押し、「
services.msc」と入力してEnterキーを押します。 - サービス一覧から以下のサービスを探し、状態が「実行中」、スタートアップの種類が「自動」になっていることを確認します。
Server(サーバー)Workstation(ワークステーション)Function Discovery Resource Publication(Function Discovery Resource Publication)SSDP Discovery(SSDP Discovery)
- 停止している場合は、右クリックして「開始」を選択します。
- Windowsキー + R を押し、「
3.6. ネットワーク認証情報を確認・更新する
誤った認証情報が原因でアクセスが拒否されることがあります。
- 資格情報マネージャー:
- コントロールパネルから「資格情報マネージャー」を開きます。
- 「Windows資格情報」セクションで、該当するネットワーク上のコンピューター名やIPアドレスに関連する資格情報がないか確認します。
- もし古い、または間違った情報がある場合は、「削除」して、再度アクセスを試みる際に正しいユーザー名とパスワードを入力します。
4. 注意事項と追加のアドバイス
- 再起動の実施: 上記の変更を行った後、アクセス元のPCとターゲットPCの両方を再起動することで、設定が完全に適用され、一時的な問題が解消されることがあります。
- セキュリティと利便性のバランス: 共有設定を変更する際は、セキュリティリスクも考慮してください。「Everyone」にフルアクセス権限を付与することは、利便性は高まりますが、不特定多数からのアクセスを許すことになるため、注意が必要です。特定のユーザーにのみアクセスを許可する設定が推奨されます。
- ネットワーク環境の確認: 家庭内ネットワークと企業内ネットワークでは、設定やセキュリティポリシーが異なります。特に企業環境では、ネットワーク管理者に相談することをお勧めします。
まとめ
「0x00000035 (ERROR_BAD_NETPATH) - ネットワークパスが見つかりません」エラーは、ネットワーク上の共有リソースへのアクセスを妨げる一般的な問題です。この記事で紹介した定義、原因、そして段階的な解決策を試すことで、ほとんどの場合、このエラーを解決し、スムーズなファイル共有を実現できるはずです。
もしこれらの手順を試しても問題が解決しない場合は、ネットワーク機器(ルーターなど)の再起動、またはWindowsのネットワークトラブルシューティングツールを使用してみることも有効です。焦らず、一つずつ確認しながら対処していくことが解決への近道となります。
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