0x00000017 (ERROR CRC) データエラー (巡回冗長検査) の徹底解説と具体的な解決策
2024-04-22 • Windows
0x00000017 (ERROR CRC) データエラー (巡回冗長検査) の徹底解説と具体的な解決策
パソコンを使用していると、突然「0x00000017 (ERROR CRC) – データエラー (巡回冗長検査)」というエラーメッセージに遭遇することがあります。このエラーは、データの完全性が損なわれている可能性を示唆しており、放置すると大切なデータが失われるリスクがあります。しかし、ご安心ください。このガイドでは、エラーの定義から原因、そして段階的な解決策までを専門的かつ分かりやすく解説します。
0x00000017 (ERROR CRC) とは何か?
「0x00000017 (ERROR CRC)」は、"Cyclic Redundancy Check(巡回冗長検査)" の失敗を示すエラーコードです。CRCは、データが転送される際やストレージデバイスに保存される際に、そのデータが破損していないかを確認するための誤り検出符号の一種です。
簡単に言うと、データが送られたり保存されたりする際に、チェック用の特定のコードも一緒に生成されます。データが受信されたり読み込まれたりする際に、再度同じ方法でチェックコードを生成し、元のコードと比較します。この両者が一致しない場合、データが転送中または保存中に破損したと判断され、「0x00000017 (ERROR CRC)」エラーとして報告されます。
このエラーは、ファイルのコピー中に表示されたり、ハードディスクや外部ストレージへのアクセス時、あるいはシステムのバックアップ中に発生するなど、様々な状況で遭遇する可能性があります。
エラーが発生する主な原因
0x00000017 (ERROR CRC) が発生する原因は多岐にわたりますが、主に以下の点が考えられます。
- ストレージデバイスの物理的な損傷: ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)に不良セクタ(データが読み書きできない領域)が発生している場合、CRCエラーの最も一般的な原因の一つです。
- メモリ(RAM)の故障: コンピュータのメインメモリに問題があると、データの読み書き中に誤った情報が生成され、CRCエラーを引き起こすことがあります。
- ケーブルの接続不良や損傷: SATAケーブルやUSBケーブルなど、ストレージデバイスとマザーボードを接続するケーブルが正しく接続されていない、または物理的に損傷している場合、データの転送中にエラーが発生します。
- ファイルシステムの破損: ディスク上のファイルシステム自体が破損していると、データの整合性が保てなくなり、CRCエラーが発生することがあります。
- ドライバーの問題: ストレージコントローラやデバイスのドライバーが古かったり、破損していたりすると、データアクセス時に問題を引き起こす可能性があります。
- 外部メディアの損傷: USBメモリ、SDカード、CD/DVDなどの外部記憶メディア自体が破損している場合にも、データの読み書き時にCRCエラーが発生します。
- ソフトウェアの競合やウイルス: まれに、特定のソフトウェアの不具合やマルウェアが原因で、データの整合性が損なわれることがあります。
これらの原因を特定し、適切な対処を行うことが、エラーの解決には不可欠です。
0x00000017 (ERROR CRC) の具体的な解決方法
ここでは、0x00000017 (ERROR CRC) エラーを解決するための具体的な手順を、簡単なものから順に解説します。データ損失を防ぐため、作業前には可能な限り重要なデータのバックアップを取ることを強く推奨します。
1. 基本的な接続とデバイスの確認
まずは、物理的な問題から確認します。
- ケーブルの接続を確認する:
- 内部ストレージ(HDD/SSD)の場合、SATAデータケーブルと電源ケーブルがマザーボードやストレージデバイスにしっかりと接続されているか確認してください。緩んでいる場合は、一度抜き差しして奥まで挿し直します。
- USB接続の外部デバイスの場合、別のUSBポートに接続し直すか、別のUSBケーブルを試してください。USBハブを介さずにPC本体のポートに直接接続することも有効です。
- 別のメディアやデバイスを試す:
- エラーが発生しているのが特定のUSBメモリやSDカードなどの外部メディアの場合、別のメディアを試してみて、メディア自体に問題がないか確認します。
- 可能であれば、エラーが発生しているストレージデバイスを別のPCに接続してみて、PC側の問題かデバイス側の問題かを切り分けます。
2. Windows 標準ツールでのディスクチェックと修復
Windowsに搭載されているツールを使用して、ディスクのエラーを診断し、修復を試みます。
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chkdsk (チェックディスク) の実行:
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「スタート」ボタンを右クリックし、「Windows ターミナル (管理者)」または「コマンド プロンプト (管理者)」を選択します。
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コマンドプロンプトが開いたら、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。(
X:はエラーが発生しているドライブレターに置き換えてください。例:C:)chkdsk X: /f /r -
/fオプションはディスクのエラーを修正し、/rオプションは不良セクタを特定して読み取り可能な情報を回復しようとします。 -
システムドライブ(C:)に対して実行する場合、次回の起動時に実行するようにスケジュールされることがあります。その場合は、PCを再起動してください。
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chkdskの実行には時間がかかる場合があります。完了するまでお待ちください。
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SFC (システムファイルチェッカー) の実行:
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chkdskと同様に、「Windows ターミナル (管理者)」または「コマンド プロンプト (管理者)」を開きます。 -
以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
sfc /scannow -
このコマンドは、保護されたシステムファイルの破損をスキャンし、正しいMicrosoftバージョンに置き換えます。
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DISM (展開イメージのサービスと管理) の実行:
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SFCで問題が解決しない場合、Windowsイメージ自体の問題を修復するためにDISMコマンドを実行します。
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「Windows ターミナル (管理者)」または「コマンド プロンプト (管理者)」を開きます。
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以下のコマンドを順に実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth -
これらのコマンドは、Windowsのシステムイメージをチェックし、破損を修復します。インターネット接続が必要な場合があります。
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3. メモリ診断ツールの実行
メモリ(RAM)の不良が原因である可能性も考慮し、診断ツールを実行します。
- Windows メモリ診断ツール:
- 「Windows」キー + 「R」キーを押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
mdsched.exeと入力してEnterキーを押します。- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する (推奨)」を選択します。
- PCが再起動し、メモリ診断が実行されます。結果はPCの再起動後に通知されます。
4. ドライバーの更新または再インストール
ストレージコントローラや関連するデバイスのドライバーが古い、または破損している場合もエラーの原因となり得ます。
- デバイスマネージャーを開く:
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「デバイス マネージャー」を選択します。
- 「ディスク ドライブ」と「記憶域コントローラー」のカテゴリを展開します。
- 該当するデバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択し、指示に従います。
- 自動検索で新しいドライバーが見つからない場合は、デバイスメーカーのウェブサイトから最新のドライバーをダウンロードして手動でインストールすることも検討してください。
5. 重要なデータのバックアップとフォーマット (最終手段)
上記の解決策で改善しない場合、ストレージデバイス自体に深刻な問題があるか、ファイルシステムが著しく破損している可能性があります。
- データのバックアップ: 可能であれば、データ復旧ソフトウェアなどを使用して、重要なデータを別のストレージデバイスにバックアップしてください。CRCエラーが発生している場合、通常のコピーではエラーになる可能性が高いです。
- ストレージデバイスのフォーマット: バックアップが完了したら、問題のあるストレージデバイスをフォーマットすることで、ファイルシステムの問題を解決できる場合があります。
- エクスプローラーから問題のドライブを右クリックし、「フォーマット」を選択します。
- 「クイック フォーマット」のチェックを外し、完全フォーマットを行うことをお勧めします。(時間がかかりますが、ディスク全体を徹底的にチェックします)
- 注意: フォーマットすると、ドライブ上のすべてのデータが完全に消去されます。
6. ハードウェアの交換または専門家への相談
上記の手順をすべて試してもエラーが解決しない場合、ハードディスク、SSD、またはメモリといったハードウェアの物理的な故障が非常に強く疑われます。
- 新しいデバイスへの交換: 問題のデバイスを新しいものに交換することを検討してください。これにより、CRCエラーが解消される可能性が高いです。
- データ復旧サービス: 重要なデータが失われた場合や、自身での復旧が困難な場合は、専門のデータ復旧サービスに相談することを検討してください。
注意事項と予防策
0x00000017 (ERROR CRC) エラーは、しばしばハードウェアの故障の兆候であるため、以下の点に注意し、予防策を講じることが重要です。
- 定期的なバックアップ: 最も重要かつ基本的な予防策です。どんなに優れた解決策も、データ損失が発生した後では手遅になることがあります。定期的に重要なデータを外部ストレージやクラウドサービスにバックアップしてください。
- S.M.A.R.T.情報の監視: 多くのHDDやSSDはS.M.A.R.T. (Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology) 機能を搭載しており、ドライブの健康状態を監視できます。CrystalDiskInfoなどのツールを使用して、定期的にS.M.A.R.T.情報をチェックし、異常があれば早めに対処しましょう。
- 適切なシャットダウン: PCの強制終了や不適切なシャットダウンは、ファイルシステムの破損やドライブへの負担を増やす原因となります。常に正しい手順でシャットダウンするように心がけましょう。
- 物理的な保護: ストレージデバイスへの衝撃や高温多湿な環境は避けてください。PCケース内のエアフローを確保し、適切な温度管理を心がけましょう。
- ケーブルの品質: 安価な、品質の低いSATAケーブルやUSBケーブルは、データ転送エラーの原因となることがあります。信頼できるメーカーの製品を使用することをお勧めします。
0x00000017 (ERROR CRC) エラーは厄介ですが、適切な対処と日頃からの予防策で、大切なデータを守ることができます。慌てずに、一つずつ手順を試してみてください。
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